◎ワンダフルタウン

今年の青葉賞勝ち馬。エフフォーリアと直接対決は今回が初めて。

青葉賞馬はダービーを勝てない。これは88回を迎えるダービーにおいて未だ破られてないジンクス。

過去10年を振り返ると、ここを勝ち、本番で好走した馬はウインバリアシオン、フェノーメノ、アドミラブル。

臨む過程は違えど3頭とも皐月賞トライアルに負けたり間に合わなかったりと、青葉賞で権利を取ることが絶対だった馬。前の2頭は古馬になってもG1で度々活躍するほどの素質馬はだったが、本番で強敵相手にあと1歩及ばなかった。

しかし、今年の勝ち馬は少し毛色が違うと思っていて、それは次の点。

①青葉賞で勝つ必要がなかった点

②青葉賞が今年初戦という点

①

基本的に青葉賞2400mと言う舞台は3歳馬にとってタフ。なので、お釣りが残った状態でダービーに出るのが理想であるが、青葉賞に出走する多くの馬にとっては、ダービー出走が至上命題になりがち。よって、ダービーに向けて余力を残す<ダービー出走≒本気仕上げというのが大半の馬の状況で、基本的に皐月賞組に対して能力で勝るわけでもないので本番で苦しい戦いを強いられる。

極端な話、ワンダフルタウンは青葉賞でボロ負けしてもダービーは余裕で出走できるくらい賞金を持っていたので、メイチの仕上げである必要性はなかった。

上にあげた好走馬3頭とも、仮に青葉賞を使わなかった場合と比較してフレッシュな状態とは言い難く、

そう考えると辛勝とはいえ、お釣りのこしで青葉賞をスキップできたのは過去の好走馬よりもプラスに働く材料である。

実は、そもそもこの条件（重賞を買っていて、賞金に余裕のある状態）に該当していて、青葉賞を勝った馬は少し遡ってもアドマイヤメインとペルーサ以外見当たらない。前者は本番で2着と好走し、後者はスローペースで外からまくっていくと言う展開の不利を受けて6着。

②

こちらの方は見渡す限りそもそもデータがない。

というのも青葉賞を年明けぶっつけで勝った馬は実はワンダフルタウンが初めての模様（過去十数年）

青葉賞というレースがタフになりがちなことに加え、基本的には満足に賞金を加えてこれていなかった馬が走るので、必然的にコンスタントにレースに使われている。

このことが、2400mを走った後の反動に繋がっている、という仮説を考えると、

ウインバリアシオンやフェノーメノは、勝つ必要はあったけれど能力の裏打ちがあった為か比較的ゆったりとしたローテで青葉賞を勝ち、本番でも好走したというのは繋がるところがある。

そして、その彼らやアドマイヤメインで持ってしても、年明けから2.3戦は使った上でここに臨んでいた。

今回のワンダフルタウンは青葉賞除くと年明け0戦で、この臨戦過程が+かどうかはさておき、フレッシュさ、疲労の蓄積度合いで言うと、過去の好走馬の比ではない。

そう考えると、青葉賞馬ダービー勝てないジンクスを支える、3歳春に数戦走った後2400m走るのはダメージがでかい、と言う説は今回に限り無視しても良いかもしれない。

まとめとして繰り返すと、

青葉賞はあくまでたたき台でダービーだけを見据えて調整できたし、疲労はほぼ考えなくてよかったはず。

それでいて、青葉賞を勝てたのはこの馬のポテンシャルそのもの。

このことだけで、他に青葉賞のメンバーレベルや、ワンダフルタウンの体質（蹄に弱点があって、休んでいた）に目をつぶって良いわけではないが、

青葉賞は勝てない！と言うジンクス的理由だけで嫌われるのなら、逆張りするのも一興なのではないか。

和田Jは若かりし頃、オペラオーでダービーの際早仕掛けして、3着に敗れたことがあるが、

若くして皐月賞馬に乗るタケシJの早仕掛けを差し切る和田Jの姿が浮かんでニヤニヤがとまらない…