はじめまして、自作指数で競馬を予想しているマルバツと申します。今回は"指数を馬券にどう活かすのか"後編をお届けします。前編は読み物としての側面が強かったですが、後編はいよいよ実戦的な話になります(だからこそ多くの人にとっては何の参考にもならないと思いますが苦笑)。

目次

1. 初めに

2. 指数と競馬観

3. 指数と馬券術　←ここから

　3. 1. 馬券術とは

　3. 2. 資金管理

　3. 3. レース選択

　3. 4. 買い目構築

4. まとめ

3. 指数と馬券

　3. 1. 馬券術とは

　競馬で勝っていくために必要なことは"能力分析"と"馬券術"だと思っています。しかもこの比率は fifty-fifty で、予想自体は負け濃厚の日でも買い方次第で勝ててしまう日もあるぐらいです。例えば近年競馬でもAIの活躍は目まぐるしいものがありますが、AIは情報分析能力の高さだけでなく馬券術の点でも人間より優れています。もちろん能力分析で巻き返せばいいのですが、こういった買い目構築がうまい人(AI)に大きな差をつけられない程度には馬券術もうまくならなければなりません。50%を捨てて能力分析に特化するのはあまり賢い手段とは言えません。では馬券術とは具体的に何を指すかというと私は(1)資金管理　(2)レース選択　(3)買い目構築の３つからなると思っています。

　3. 2. 資金管理

　この項目は指数と関係がなくどこかで聞いたことがある話になると思うので、知っているという方は読む必要はありません。一般的に競馬に関わらずレートを変えられる投資(ギャンブル)は複利でおこないます。複利とは資金に対してある定率を投資するという方法です。これの対になるのが単利という投資法で、資金に関わらず常に同額を投資します。なぜ複利が一般的かというと単純にそっちの方がもうかるからです。資金が倍々的に増えていく凄さは転がしなどで体感した方も多いのではないでしょうか。

　しかし複利でやる際は資金がパンクしないように注意が必要です。例えば常に資金のすべてをかけるということにしたらどうなるでしょう。的中率が100%でない以上、いかに単利的にみたら期待値がプラスでもいずれは必ず資金が0になります。つまり、単利的にみたら期待値がプラスでも賭け方を誤ると複利では期待値がマイナスになりうるということです。このとき、何パーセントかけるのが複利的な期待値を最大化するのかという質問の目安となるのがケリー基準です。ここでは結論だけ述べますが興味のある方はググるなりして調べてみるのもいいかもしれません。ケリー基準は以下の式から求めることができ、必要な値は"的中率"と"回収率"です。

　ケリー基準＝（回収率ー 1 )/(回収率 / 的中率ー 1 )

例えば的中率が25%、回収率が120%の場合は

　(1.2-1)/(1.2/0.25-1)=0.2/3.8=1/19=約5%

となります。実際はドローダウン対策の為にこれよりも少ない額(例えば半分)をかけるのが一般的です。自分はさらにここから合成オッズ的考えを導入し、払戻額が一定になるようしています。上記の例の場合だと、5%×(120%/25%)×0.5=12%払い戻されるように馬券を組むといった感じです。もちろんこれはあくまで目安ですし、いわゆる勝負レースではレートを上げたりすることもあるとは思います。その場合でも勝負レースはまた別に的中率と回収率をメモしておくといいと思います。競馬の大きな強みとしてレートが可変というのはあると思うのでそれが仇になることなく活かすために資金管理は非常に重要であるといえます。

　3. 3. レース選択

　ここからは私の予想(指数)においてが前提となるので、冒頭でも断りましたがあまり参考にならないと思います。期待値を上げるためにはレース選択が重要です。全レースに参加して勝つのは難しいというのは言うまでもないでしょう。適当なレース選択は予想法によって変わるので、ここでは指数派による見解を述べようと思います。指数は能力分析に特化しているので能力を凌駕するファクターがあるようなレース(ex. ハイペース必至、特殊馬場)というのは本来向いていません。しかし、2. 3. 項で説明したようにこれらは展開予想や血統の要素を入れるだけで解決し、むしろこういうレースの方が勝てることが多いぐらいです。

　本当に重要なことはオッズの乖離と能力構造です。オッズの乖離に関しては今更説明する必要もなく誰もが実践していることなのでここでは述べません。ただし一言だけ言っておくと、買いたい穴馬や軸馬がいなくても1人気が飛びそうだな思えるレースはおいしいです。当たり前だよという声が聞こえてきそうですが（笑）指数をやっているとどうしても能力差がわかってしまうので混戦の中で何を選択するかというのが難しくなり今までは避けてきましたが、ようやくそこまで気負う必要はなさそうなことに気づきました。指数派だから陥りやすい状況だと思います。

　能力構造は指数派にとって大変重要です。競馬新聞には"一強"、"波乱含み"などと簡単に書かれていることが多いと思います。チャンスがある馬が何頭いるかは的中率に大きくかかわってきます。それが顕著なのが地方交流だと思っています。地方交流では地方馬は鼻から勝負に参加できません。そのため実際には5-6頭立てといえるようなケースもよくありこれはポジション争いや道中のプレッシャーなどに大きく影響を及ぼすのです。力上位と思われる馬が何頭いるかはレースによってまちまちであり、基本的には少ないほうが平穏、多いと波乱という傾向があると思います。とはいえそんな簡単な話ではなくマークやまくりの有無、枠の並びなどによって変わってきます。また的中率が上がっても期待値が下がることもあります。例えば一強レースでは指数なんぞ使わなくとも全員が能力が抜けているのはわかっている状態なのであまりおいしくありません。同様に前走の再戦みたいな構造のレースも指数は苦手とします。

　3. 4. 買い目構築

　買い目構築は大変複雑で誰もが常に悩みながらああでもないこうでもないと必死に考えていることでしょう、私もその一人です。もっと言えば、わたしはあまり買い目構築が得意ではなく下手な部類だとおもっています。しかし指数を使い始めてからは幾分ましになり、うまくなった気もしているので僭越ながら語らさせていただきます。

　買い目構築の本質はただ一点、能力分析の結果を反映させるということにあります。もちろん、単勝=馬単の総流しなどに代表されるようなテクニック的な物もあるのですが、指数とはあまり関係がないので割愛します。能力分析の結果を反映させるというのは、一般的にはかなり難しいです。しかし、定量的な分析である指数だからこそ、この指数差までは逆転の可能性を考えたほうが良いなどを過去の結果から統計的に出すことができます。例えば、本命馬からの馬単を買う際に保険として馬連を購入することがあると思います。このときどの馬まで抑えるかは悩ましいところです。しかし、統計的に確率がわかっていると期待値に即して買う買わないを決めることができます。軸馬や印が決まってもそれはあくまで順番(定性的)にすぎません。どの買い目まで買うかは指数を使わないと難しいのではないでしょうか。

4. まとめ

　今回指数という観点でこういった記事を書きましたが、自分の中でも言語化の過程で気づけたこともたくさんあり、さっそく今週から活かそうと思います。もしこの記事を読んで自分の指数予想を購入していただける方がいればいいなと思います。長々と書いてきましたが、"指数は作成者の競馬観の定量的な現れである"ということを理解していただけたのなら幸いです。ここまで読んでいただきありがとうございました。　Thank you !!