エリザベス女王杯

阪神2200ｍ内回り斤量56kg

京都競馬場改修工事によって今年は阪神で行われる。大きな違いは直線の急坂と外回りから内回りになる点で近年の傾向は当てにならないと言ってもいい。

京都は下り坂からの4F勝負になりやすいが阪神では5F(～6F)のさらにロングスパート勝負になりやすい。一瞬の切れ味タイプには向かないのでこれまでその勝ち方で買ってきた馬が人気するなら軽視したい。

この舞台は宝塚記念と同舞台だが季節の違いと夏を挟むため、そこまでタフな馬場ではない。ただ牝馬にとって前年よりタフなレイアウトになることには注意。

血統は日本血統よりも欧州の血統を重視したい。これは京都でも同じような血統だったが阪神に変わったことでさらにこの傾向が強まりそう。

ウインマイティ　父ゴールドシップ　母父カコイーシーズ　

夏を越して秋のレースでは出遅れが目立つようになってきた。溜めて伸びるタイプでもないので上位争いするには前目で勝負したい。またゴールドシップ産駒は平坦巧者が多く、この馬自身も忘れな草賞(阪神2000ｍ)からオークス(東京2400ｍ)でパフォーマンスを上げている。今回は京都→阪神代わりなのでパフォーマンスは落としてきそう。またゴールドシップ産駒は2F以上の延長で好成績を残しておりオークスの時もそれに該当したパフォーマンスだった。そのオークスでのフォーマンスの分で今回人気するのであれば、ここは切りたい。

ウインマリリン　父スクリーンヒーロー　母父Fusaichi Pegasus

前走調教は絶好調の動きをしていたのだが本番では2.5秒負けと大敗。ただ内前が絶望的な馬場だったのでノーカンでも良さそう。実際馬券内で１番内を走ったマジックキャッスルですら内から7頭目の位置でこの馬は２頭目と馬場の差はデカかった。血統的には内回りは絶好でタフなレースは◎。フローラＳも直線は砂が舞うほどの強い向かい風でタフなレースになったのを勝ちきった。今回も牝馬にはタフなレースになりそうだが持ち前のタフさを活かしたレースができれば古馬でも好勝負できそう。ただフォトパドックを見ると冬毛もすごく状態に疑問が残る。適性は合うので抑えまでが妥当か。

ウラヌスチャーム　父ルーラーシップ　母父フジキセキ

前走の新潟牝馬Sは鞍上の神騎乗によって快勝。OP初勝利だったメトロポリタンSも鞍上の好騎乗によって勝利と評価の難しい馬。ただ内容はどちらもうまく持続力を活かして長く良い脚を使って勝ったもの。メトロポリタンSは逃げ馬不在の中を先頭に立ってスローペースを4F辺りからスパートを始めて逃げ切り。新潟牝馬Sは残り5F地点からぽっかり空けられた内を突いて道中で1番手に躍り出てそのまま突き放した。このように持続力勝負なら高いパフォーマンスを見せて中々止らないタイプで今回のレースにはマッチしそう。最大の問題は鞍上が斎藤新騎手に乗り変わることなのだがその分オッズもつきそうで積極的に買いたい一頭。

エスポワール　父オルフェーヴル　母父シンボリクリスエス

前走はウラヌスチャームに離されたがもう少し積極的に乗れば着差はもっと縮まっていそうなレースだった。この馬の強調材料はなんと言ってもその血統で父オルフェーヴルはもちろん急坂プラスで中長距離もあう。母父シンボリクリスエスも母父なら阪神の成績が良い。母母父トニービンも阪神プラス、また若い頃の緩さが抜けた4歳秋は買い時。そしてSadler’s Wellsでこのレースに相性の良い欧州的なスタミナ、さらにオルフェ×Sadler’s Wellsで持続力が補強され内回り適性もある。さらにバレークイーン牝系出身でこの牝系はスタミナと急坂条件で強い。例を挙げると長距離重賞3勝のリンカーン、皐月賞馬ヴィクトリー、アンライバルド、ダービー馬＆菊花賞3着フサイチコンコルド、この前の菊花賞でコントレイルを追い詰めたアリストテレスと挙げればどんどん出てくる名門スタミナ牝系。このように掘れば掘るほどこのレースに合いそうな字面が並んでいるしG1ならここが買い時。ちなみに馬主の近藤英子さんの馬はほとんどが内回り条件に強い馬達で馬主的にもここが狙い目。

カーロバンビーナ　父ディープインパクト　母父Hawk Wing

カンビーナの子供で兄弟にはトーセンカンビーナがいるように古馬になってからが勝負の馬。ただここは格上挑戦で牝馬限定ハンデ重賞ならまだしもG1で勝負できるとは思えず、また上がり目もそこまでありそうにないのでここは切りたい。

サトノガーネット　父ディープインパクト　母父Victory Note

キレのある末脚が持ち味で前走は新潟で騎乗ミス気味の後方から直線競馬とはいえ上がり31.9を記録。前々走の小倉記念は前崩れ展開を差して2着。重賞勝ちした中日新聞杯も前崩れの展開を後方から伸びたものと展開次第では混合重賞でも上位を争う一頭。それだけに今回の阪神内回り適性は微妙で直線だけではとても届かなそう。また馬場やメンバー的にも前総崩れの外差し展開になるかと言われれば疑問。上がりは魅力も今回は見送りたい。

サムシングジャスト　父ヴィクトワールピサ　母父タイキシャトル

府中牝馬Sでは推したようにこの馬は重馬場でこそ真価を発揮するタイプに思える。OP入りを決めた初音Sと前走も馬場がかなり悪化しており、今回も好走するためには雨が欲しい。前走がベスト条件3着で今回良馬場なら力は足りなそう。次馬場が渋ったときにまたお世話になりたい。

サラキア　父ディープインパクト　母父Lomitas

前走のパフォーマンスはかなり高くそれだけに今回の阪神22に適性があるか疑問。ただ前走の渋った馬場はベストではないだろうしその分の上澄みは期待できる。新馬戦を除いて連対したのは全て1800ｍで非根幹距離は合っていそう。去年の同レースでは不利がなければというレースだったので距離も大丈夫そう。前走強い勝ち方をして本格化も感じさせたしここで切るのは危険か。適性と多頭数で揉まれたときの不安もあるし抑えまで。

シャドウディーヴァ　父ハーツクライ　母父Dansili

東京マイルでプリモシーンと競っているようにベストは東京1600～1800ｍで阪神2200ｍは距離もコースも合わなそう。右回りも不得意で次ぎ左回りの短縮で買いたい。

センテュリオ　父ディープインパクト　母父エンドスウィープ

クラフテイワイフ牝系出身でこの牝系は晩成の傾向があり全兄のトーセンスターダムは6歳でG1制覇。親戚にトーセンジョーダンやカンパニーもいる。5歳になって重賞制覇したようにここは本格化したと考えてよさそう。その重賞制覇となった前走は最後一頭だけ後ろから伸びてきて、勝ちにいって最後甘くなったカレンブーケドールを差して勝利。牝馬ながら中山2200ｍで牡馬相手に完勝だからカレン共々この距離での能力は牝馬限定なら抜けていそう。前々走のマーメイドSも軽斤量馬が前残りする中55kgを背負って後ろから伸びてきている強い内容。差しきれなかったとはいえ1着は5kg軽い相手で0.1差なので内容的には勝ちに等しいもの。中山2200ｍで好走したようにこの距離と急坂は何も問題ないと思われるし適性は1番ありそう。ここも好勝負期待で頭まで狙いたい。

ソフトフルート父ディープインパクト母父Kingmambo

前走は出遅れが功を奏して大外を走り続けて3着。この日は内と前が全滅でかなり馬場有利だったので、大外を回して3着だから強い競馬というわけではない。むしろデアリングタクトよりも内側で走ったマジックキャッスルにも負けているように古馬GIで通用する力を見せたかと言われると疑問。デアリングタクトと0.3差だから力あるという意見もあるが、前潰れの展開で早めの仕掛け(コーナー通過13-13-8-5上がり35.8)で押し切ったデアリングタクトと出遅れ最後方(同18-18-18-12上がり35.7)のソフトフルートの0.3差は実質的にはもっと負けている。また前々走もロスのない立ち回り+斤量52kgでのタイムで過剰評価禁物。秋華賞の着順で人気しそうだしここは切りたい。

ノームコア父ハービンジャー母父クロフネ

前走札幌記念勝ち＆前年ヴィクトリアマイル覇者なので実績で言うと最上位。ただラスティックベル牝系はマイラーの快速牝系。親戚にマイル重賞常連ビーチサンバや、朝日杯勝ち馬フサイチリシャールなどもこの牝系。この馬も高速馬場のヴィクトリアマイルでレコード勝ちしたようにスピード勝負の馬で阪神22の適性は疑問。ただ宝塚記念ほどタフなレースにはならないためある程度スローなら距離は持ちそう。さすがに実績面からも切れないが重い印では買いたくない1頭。抑えまで。

ミスニューヨーク父キングズベスト母父マンハッタンカフェ

血統的にも戦績的にも馬場が重くなればなるほどいいタイプで、今週のパンパンの良馬場で古馬と戦うのは分が悪そう。もし直前にゲリラ豪雨が降るならサムシングジャストとともに買いたい。

ラッキーライラック父オルフェーヴル母父Flower Alley

前年覇者＆大阪杯クロノジェネシスを下して1着。その他中山記念2年連続2着、香港ヴァーズ2着と混合戦でも実績を残して牝馬の中では最上位グループ。前走は3着に敗れたものの、早めに仕掛けて目標になったところを後ろから差されたもので仕方ない部分もある。また前で粘るよりも溜めて差すのが合うタイプで強気に乗るタイプのデムーロとは手が合わなそう。そして今回は差し競馬得意のルメールに乗り代わりで溜める形で運びそうで期待できる。宝塚記念も2.5差大敗も先着した中でサートゥルナーリア以外は馬場巧者なのでノーカンでいいだろう。馬場が軽い内回りに変わる今回は適性舞台でこの馬の力を出し切れそう。枠が大外だが京都ほど直線で馬群がバラけないので阪神ではそこまで気にしなくてもいいか。どこまで人気になるか分からないのでオッズと相談も上位評価。

ラヴズオンリーユー父ディープインパクト母父Storm Cat

世界的名牝系で母母はKingmamboの全妹と欧州の超良血。その母母に米国の超良血Storm Catで米国的なスピードを足した血統が母のラヴズオンリーミー。そして母に日本の超良血ディープインパクトを配合して産まれたのがリアルスティール＆ラヴズオンリーユー。このように血統表が欧米日の超良血で構成されており良血選手権なら1位間違いなし。父と母父の高速馬場適性と牝系のスタミナで長め＆高速馬場が適性。そのため重馬場の前走と直前に雨の降った前々走はパフォーマンスダウン、ヴィクトリアマイルは距離不足で度外視となると今年はまともに走れたレースがなかった。前年同レースは正直クロコスミアを抜いて欲しかったものの3歳で3着は上々の結果か。今年に入ってからも馬体重を増やしているように決して早熟という訳でもなく叩いた今回はさらなる上昇も期待できる。去年のオークスからしたらここ最近は不完全燃焼感があるし、本来の力を出し切れば頭まで狙える。

リアアメリア父ディープインパクト母父Rockport Harbor

まず距離が長い。ベストはゆったり追走からの後半勝負でそういう意味で前哨戦に強く、ペースの上がるG1では力を発揮できない。世代限定マイルG1ではレシステンシアが居たためこの馬には全く合わないペースになっていたため大敗した。逆にレシステンシアがいなくなり、距離不安を抱える馬が多くペースが落ち着いたオークスでは一気にパフォーマンスを上げて4着になり、前々走ローズSもスローをゆったり先行し圧勝。秋華賞ではペースアップ＆馬場不利でまた大敗と適性に素直で買いやすい。また母系にGone Westが入っているのでベストは休み明けで叩き三戦目では上積みどころかパフォダウンだろう。狙うなら次の休み明けにしたい。

リュヌルージュ父モンテロッソ母父メジロマックイーン

モンテロッソ産駒は道悪に強く好走した中山牝馬、マーメイドとも馬場が渋ってパフォーマンスを上げた。ただ両レースとも軽斤量＆ベスト舞台ながら勝つまでには至っていない。マーメイドでは馬場適性、展開有利ながら今回出走のセンテュリオと2kg差で0.2秒負けたのでセンテュリオ比でもここでは足りなそう。雨も降らない予想でここでは厳しいか。

ロサグラウカ父ルーラーシップ母父クロフネ

OPに上がってから3.1負け,3.2負け,1.9負けと大敗続きでG1ではさすがに厳しいか。中山2200-2500mで3-1-0-1と、もしかしたら長丁場の直線短くて急坂がベストな可能性もあるが…。ここでブリンカー付けてくるのは実質的な逃げ宣言で、離して逃げて他馬がついて行かずにクィーンスプマンテ、なんてことがありそうなのが怖いけどさすがにないと思いたい。ちなみに父ルーラーシップはこのコース得意。本当に怖い。

◎センテュリオ

○ラヴズオンリーユー

▲エスポワール

△ラッキーライラック

☆ウラヌスチャーム

☆サラキア

ウインマリリン

ロサグラウカ

ノームコア

基本的には☆まで。三連系なら三頭も加える感じ。

※誤字修正の為更新しました。