JRDBという有償サービスがございまして、私は長年これを利用して過去データを多角的に分析して、馬券購入に役立てています。

先にJRDBの提供データについて簡単に説明しますが、既にご存知の方、ご興味ない方は適当に読み飛ばしてください。

大きな特徴の一つは、データベースで利用しやすい形式で馬やレースに関係する多数のデータを提供してくれること。手法はTARGET+JRA-VANデータと一緒ですが、より特徴的なのはIDM(スピード指数にレース中の不利などを盛り込んで調整したもの)、展開(テン/位置/上がり/ペース)、厩舎情報や調教といったものを指数化したデータの存在です。さらに他所で見ることが少ないものとしては、馬体の特徴(体型や各部位の大きさ、蹄形状サイズ)、馬具(ハミなど)、脚元(ソエや骨瘤、特殊蹄鉄やエクイロックス)、パドック状態といったアナログ情報の数々。細かいものまで含めると数百以上の項目について(10年以上前の過去走も含めて)履歴として蓄積することができ、分析に使用できます。

ＪＲＤＢデータについて(コード表/データ仕様)

あまりにもデータが多すぎて全部を利用している会員はまずいないでしょうが、その何割かを利用するだけでも「他人とは違った目線」を持てるのが最大の利点。競馬知識面でもかなりのマニア向け、かつ競馬そのものとはかけ離れた知識技術(データベースや言語、数理論理や確率統計など多少の数学面など)、少しまともなPC、アイデアの続く限り調べつくす根気、さらに膨大な作業時間…この辺りが必要なのが難点ではあります。

面倒な分析をした結果、(膨大なデータのうち幾つかだけを使った)ある特定の条件が揃うと特徴的な結果が出る…そういったパターンが見つかります。よく勝つもの、回収率の良いもの悪いもの、完全な消し条件…これらを集計条件(SQL)化して保存しておく。この保存した条件は、競馬開催前日夕方から「明日の出走馬に当てはめるとどうなるか？」という形で利用できます。好条件や悪条件の該当馬を可視化しておいて、レース予想のエッセンスとして使うわけです。

私はたくさん作った条件のうちの一部(現時点では250個程度)を毎週の競馬に利用してきましたが、昨年(2019年)からはもう一歩先に進めたくなり。

1頭1頭に好条件や悪条件が複数該当した結果を受けて別の2次処理を行い、漠然と「当てやすいレース」の「買える馬」(≒リスクに見合う回収が期待できる馬)を抽出するところまで自動化できないか？…という普通に考えるとちょっと無謀なことに取り組み始めていました。

始めた頃には思いつかなかったいくつかのアイデアもあって、見栄えする形になったのが2020年に入ってから。

機械的に抽出した当てやすいレースの「買える馬」1月の結果が、このエントリです。

1月の「買える馬」成績集計

トータルでは勝率7.5%、連対率20.0%、複勝率30.7%、単回収率127.8%、複回収率105.8%。対象馬が1頭のレースも6頭のレースもある(平均では約2頭)ので、レース単位に直すと勝率14.9%、レース連対率36.2%、レース複勝率49.6%。

4週9日(22場日)という期間で好成績が出たので、これを機にしばらく(好調が続くまで？)この「買える馬」リストを外部に公開していこうかと。

これが趣旨です。レース分析はありません。淡々と馬名、＋αとして抽出理由となったポイントや数字だけを掲載します。