はじめまして、自作指数で競馬を予想しているマルバツと申します。指数を自作し始めてから半年が経過し、指数を馬券にどう活かすのかという観点で自分の今の競馬観も踏まえながら記事にしようと思います(自分が日々競馬をするなかで得た知見を言語化しこれからの競馬に生かすためのものに過ぎないので、多くの人にとっては意味のない記事になると思います苦笑)。記事が長くなってきたので前後編に分けたいと思います。この記事は2章までの予定です。

目次

1. 初めに

　1. 1. 指数を自作するに至った背景

　1. 2. 指数の作成

　1. 3. 有料記事について

2. 指数と競馬観

　2. 1. 指数とは何か

　2. 2. 指数と競馬観

　2. 3. 指数を使うときの注意点

3. 指数と馬券

4. まとめ

1. 初めに

　1. 1. 指数を自作するに至った背景

　私が指数を作り始めようと思い立ったのは昨年の夏競馬あたりでした。それ以前もダートを中心としてタイムで予想をしていたのですが、自分が理系の人間(学生)ということもあり定量的で一目で比較ができる指数というものには常々興味があり、夏休みで時間もあったのでとりあえずやってみようという感じで着手し始めました。

　1. 2. 指数の作成

　まずは手始めに指数に関する記事をネットを中心に読み、基礎となっている考え方を理解しました。そのあとTARGETを利用して実際に指数を作り始めましたが、最初はなかなか手間取りました。というのもTARGETであるコースの良馬場の平均タイムなどは出ますが、当然良馬場でも時計のかかる馬場、出る馬場などがあります(ex. 冬のダート、芝状態)。それゆえに、馬場差を読み違ってしまい頓珍漢な指数になってしまったこともありました。また、"競馬≠タイムトライアル"と言われるように走破タイムの信頼度が高いダートであっても好タイム馬を買うだけではお金は減る一方でしょう。

　そういう中で改良に改良を重ね12月頃からは安定して儲けられるようになりました。現在興味は芝に移行しつつあり、ダートよりも大いなる可能性を感じている次第であります。とはいえ、ダートにはダートの良さがありますし芝とは根本的な考え方が違いますからダートの方も見聞をより深めていけたらなとは思っています。

　1. 3. 有料記事について

　現在自分は当サイト"教えて競馬民"に予想をあげています。予想を上げている理由としては人様に何かを進めるという行為が自分にとってプラス(ex. 緊張感、思考の言語化)になればいいなと思ったからです(もちろん世の人気予想家のように有料記事によってそこそこの収入になればいいなという思いも少しはありましたが笑)。今ではぼちぼちとではありますが予想を購入していただける方も増えてきておりうれしい限りであります。

　とはいえ、指数というのは有料予想とは相性が悪いと個人的には思っています。というのも予想を売るためには予想の結果(軸馬, 買い目)だけでなく根拠(見解)も大事な為です。指数派としては多くのレースで推奨理由が"高指数なのに人気がないから"等になってしまいますがこれでは他人は信頼しずらいと思います。それよりも"前走不利が~"や"この血統はこのコースで~"など誰が見てもわかるものの方がとっつきやすいのは当然だと思います。しかしここで主張しておきたいのは指数という定量的な比較の前では見解など書く必要などないのです。例えば前走不利のせいかどうかや、血統的にどうかは既走馬であれば過去の指数をみればわかります。

2. 指数と競馬観

　2. 1. 指数とはなにか

　結論からいうと、私は"指数＝過去のレースでみせた能力の定量的な分析"だと考えております。異なるコース、異なる距離でのパフォーマンスを比較するための手段として指数の右に出るものはないでしょう。ここで重要なのは"定量的な分析"という部分です。過去のレースで見せた能力分析など誰もがたとえ無意識化であってもしています。"前走2着だけど3着以下は1秒以上ちぎっているしこのメンバーなら勝てるだろう"、"前走のタイムは上のクラスと同タイム、ここで負けるわけがない！"などなど。これらは定量的な側面もありますが不完全です。"1秒ちぎった3着以下が弱すぎた"、"上のクラスのレベルが低かった"など抜け穴がたくさんあります(もちろんさらに比較を続けていくことで抜け穴はなくなっていきますが...)。それに一発で回答できるのが指数です。

　2. 2. 指数と競馬観

　しかし当然ですが作る人によって指数は違います。これは指数が作成者本人の"競馬観"に強く影響を受けるためです。皆さんは極限の上り勝負になったレースでは先行馬と差し馬どちらの方がきついと思いますか？この答えとしては、"上りには限界があるのだから前にいたほうが有利に決まっている"、"いやいや、切れ味がない先行馬にとってはむしろ仇だから差し馬の方が有利だ"などいろいろあるでしょう。もちろん時と場合によると答える方も多いと思いますが、こういった各個人が持っている競馬観が指数に影響を与えます。つまり競馬観が競馬の本質にいかに迫れているかが精度の高い指数を作るために重要ということになります。

　2. 3. 指数を使うときの注意点

　指数は定量的な分析なので一目でどの馬が一番強そうかなどの問いに答えることができます。しかし、ここに大きな落とし穴があります。スピード指数の基礎を築いたベイヤー(『勝ち馬を探せ!!』の著者)自身がすでにその問題点について語っています。

「指数を“福音”として考え、今までどのようなレースをしたかを知るためではなく、今回どんなレースをするかを指数に決めさせてしまったのだった。道具として使わないで、決定権を与えたのだ。指数は魔法でも、絶対確実なものでもない。どのレースでも、前走高い指数だったという理由だけで馬に賭けるなら、トータルでは賭け金の三十％ぐらいしか戻ってこないし、結局、細々と稼ぐことになるだろう。」　アンドリュー･ベイヤー. 山本尊(訳)　(1990). 『勝ち馬を探せ!!』. メタモル出版

指数の精度がいかに上昇しようとも(重要、指数に自信がないからとか誤っている可能性があるからとかではない)今回どれだけのパフォーマンスを出すかは自分で考えないといけません。1. 3. 項で触れたような不利やコース適性などは指数から読み取ることができますが、状態やトラックバイアスなどは自分で補正しないといけません。当然ですね、あくまで"指数＝過去のレースでみせた能力の定量的な分析"にすぎないのですから。この言葉をようやく本当の意味で理解していただけたかと思います。

以下後編に続く。