本格的に予想する前に、ダービーの傾向、というか、「未だ破られておらず」「筆者が信用に値すると思っている」消去データについて2つほどおさらいしておこうと思います。
ちなみに①②どちらのデータも某データベースソフトでは一筋縄では取れないデータ（自分でちまちま作業しました）なので、ぜひ活用してもらえると幸いです。
※データは東京競馬場が改修された2003年以降を取得

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①テン乗りの馬はダービーでは勝てない（0-5-4-84）勝率0% 連対率5.4% 複勝率9.7%

そもそも乗り替わりの成績自体が（1-5-6-110）勝率0.8%複勝率9.8%の上、2021年に過去最多タイの10頭の乗り替わりを送り出してシャフリヤールがようやく勝ったくらい。昨年taku名人も名人戦にて触れていたが、やはり大観衆を目の前にして、ほとんどが未経験の距離で、しかもフルゲートでポジション争いも普段のGI以上に激しいということを考えると、テン乗りというのは最後の一押しに欠ける部分はあるように思う。

とはいえ、このジンクスを信頼しすぎて馬券から完消ししてしまう競馬ファンも多いのか、複勝回収率は98%と悪くない数字となっており、勝ち切れないにしても穴馬の好走については注意が必要となる。

【今年の該当馬】
・タスティエーラ　　（D.レーン）
・ドゥラエレーデ　　（坂井瑠星）
・ファントムシーフ　（武豊）
・フリームファクシ　（吉田隼人）
・べラジオオペラ　　（横山和生）
・ホウオウビスケッツ（丸田恭介）

②Sadler's Wells持ちの馬はダービーでは勝てない（1-2-2-43）勝率2.1% 連対率6.3% 複勝率10.4%

これは血統評論家の亀谷敬正氏が折に触れて述べている話だが、要は「日本馬のNo.1を決める日本ダービーにおいて、日本競馬とは完全に異質な欧州のNo.1を連れてきたらそりゃ勝てませんよね」という話。日本の馬を凱旋門賞に連れて行っても勝てないのと全く同質の論展開である。

回収率の数値で見ても、驚くべきことに単勝回収率7%複勝回収率16%という数字になっている。「1頭勝ってんじゃん」という話でもあるが、これは06年稍重馬場で開催された時（勝ち馬はSadler's Wells直系オペラハウスを父に持つメイショウサムソン）。

この時の勝ち時計は2.27.9と、直近5年の日本ダービーの勝ち時計の平均2.22.9より5秒も遅い。皆さんも何となくイメージできるだろうが、芝は時計がかかればかかるほど欧州血統が台頭してくるので、そういった意味でも、今週雨は降る予定もなく、良馬場開催で近5年と同じくらいの時計が想定される今年の日本ダービーにおいても、このジンクスは相当有効に働いてくると思われる。

ちなみに馬券になった馬はメイショウサムソン以外は以下の通り。
13年エピファネイア　　（2着）　父シンボリクリスエス　母父スペシャルウィーク
16年ディーマジェスティ（3着）　父ディープインパクト　母父ブライアンズタイム
17年アドミラブル　　　（3着）　父ディープインパクト　母父シンボリクリスエス
21年エフフォーリア　　（2着）　父エピファネイア　　　母父ハーツクライ
上記を見て分かる通り、Sadler's Wellsを父または母父に直系で持つ馬はいない。

Sadler's Wellsを父または母父に直系で持つ馬は（1-0-0-20）、直近10年に限ると（0-0-0-12）となっている。

【今年の該当馬】
・ショウナンバシット（母父がSadler's Wells直系のMedaglia d'Oro）
・ソールオリエンス　（母父がSadler's Wells直系のMotivator）
・ノッキングポイント（父モーリスがSadler's Wells持ち）
・ファントムシーフ　（母父がSadler's Wells直系のMedaglia d'Oro）
・メタルスピード　　（3代母父がSadler's Wells）

また面白いことに、今年の皐月賞の結果を見てみると、
1着　ソールオリエンス　（母父がSadler's Wells直系のMotivator）
2着　タスティエーラ　　
3着　ファントムシーフ　（母父がSadler's Wells直系のMedaglia d'Oro）
4着　メタルスピード　　（3代母父がSadler's Wells）
5着　ショウナンバシット（母父がSadler's Wells直系のMedaglia d'Oro）
と、②の該当馬のうち、出走していないノッキングポイントを除く4頭が全て掲示板入り。残る2着のタスティエーラもSadler's Wells持ちではないものの、父が欧州系ノーザンダンサーのサトノクラウンなので、方向性としてはほぼほぼ一緒と考えていい。

皐月賞では大活躍したSadler's Wellsの血。テン乗りもそうだが、どちらかというと今年はこの「②Sadler's Wells持ちの馬はダービーでは勝てない」がついに破られるのか、というところが焦点になってくるように思う。

①と②を経由して残った馬については以下の通り。
・グリューネグリーン
・サトノグランツ
・シーズンリッチ
・シャザーン
・スキルヴィング
・トップナイフ
・ハーツコンチェルト
・パクスオトマニカ
あくまでデータであって、誰かの言葉を借りると「データは破られるもの」でもあるので、必ずしもここから本命馬を選ぶ、というようなルールは課さないつもりだが、予想するうえで①②に該当する馬より少なからぬアドバンテージはあるとみて考えたいところ。

ちなみにもう1つ有名なジンクスとして「青葉賞組がダービーを勝てない」というのがあるが、筆者はそのジンクスをまるで信用していない。

このジンクスに対する有力な仮説は
1.青葉賞に出てくるような馬はそもそも完成度が低かったり、能力的に厳しかったりするため
2.ローテーションが厳しいため（中3週）
というものがあるが、京都新聞杯という存在によって1,2のいずれも反論の余地がなくなってしまうからである。

※京都新聞杯組は13年キズナ、19年ロジャーバローズが勝利している。

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データについては掘りつくされてしまっている感がありますし、YouTubeで「日本ダービー予想」と検索すれば様々なデータを簡単に仕入れられる時代にもなったので、どのデータが有用か有用でないかをしっかり判断した上で予想に臨みたいところです。

日本ダービーの予想は教えて！競馬民の名人戦公式にて公開予定ですので、良ければそちらもご参考ください。
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